新型コロナウイルスの感染拡大がとまらず、4/7、日本政府はついに「緊急事態宣言」に踏み切りました。
「緊急事態宣言」は、外出自粛に罰則を設ける、交通機関の運行が止まる、など海外で行われている「ロックダウン」(都市封鎖)とは性質の異なったものである、と報道されていますが、結婚式にも、この宣言が出されたことで更なる影響があるのか、ということについて本日はお話したいと思います。
私は、法律のプロではありませんが、ウエディング業界向けに「法律×ウエディング」のプロから発信されている情報を参考に、新郎新婦向けの「法律×ウエディング」の情報に視点をかえて発信をしています。新郎新婦向けの正しい情報がおふたりに届き、おふたりが様々な検討・行動をする際の参考に少しでもなりますように。
緊急事態宣言って何
緊急事態宣言は、内閣総理大臣が、都道府県を単位とするエリアと実施期間を示して出すものです。
その後、該当地域の都道府県知事が、感染拡大防止のために必要だと判断すれば、区域と実施期間を示して、様々な「要請」ができるというものです。
この「要請」は「法律に基づくもの」であり、今までの記者会見で各知事が述べていた「お願いベースのもの」とは性質が異なり、事実上“強制”の意味合いが濃くなります。
では、どんな「要請」があるか。
・住民への外出自粛要請
・学校・保育所・老人福祉施設など使用停止の要請、指示
・音楽、スポーツイベントなどの開催制限の要請、指示
・予防接種の実施指示
・臨時医療施設のための土地・建物の使用
などがあります。
緊急事態宣言と結婚式
上記「要請」の中で、結婚式に大きく関係するものは、2つ考えられます。
・施設の使用停止・制限
・住民の外出自粛
使用制限を要請できる施設には、学校や劇場、百貨店、体育館、ホテル、結婚式場などです。
(※原則として法令上、1千㎡超の建物面積をもつ施設が対象だそうです)
つまり開催会場は国から、お客様へ利用いただくことをやめてください、という要請、もしくはやめなさい、と指示が出されるということです。
また、対象地域の住民は、生活の維持に必要な外出以外は自粛の要請が出されますので、実質上、結婚式のための外出はNGだという判断となります。
どこで、いつまで続くのか
国から緊急事態宣言が出される際は、都道府県を単位として出されますが、4/7時点では「東京都」「千葉県」「神奈川県」「埼玉県」「大阪府」「兵庫県」「福岡県」に対して、期間については、2020/5/6までだと発表されました。
このことから考えると、該当地域での2020年4月の結婚式は、実質「開催不可能」となります。
また、その余波、そして新型コロナウイルスの沈静化が急速にされることはあり得ないと考えると、残念ながら2020年5月の結婚式に関しても該当地域での開催は難しい、ということを言わざるを得ません。
結婚式の延期・キャンセル料
「緊急事態宣言」が出されるまでの間にも、多くのご新郎・新婦が延期・中止を決断してきたかと思います。
その時の式場の対応としては、条件付きで(会場指定の期間内であれば)無償で延期対応をしたり、一方では、規約通りの延期・キャンセル費用を請求していた式場もあると聞いています。
今後については、まず「緊急事態宣言」が出されたエリアの結婚式、さらに対象期間に該当した結婚式に関しては、(「非常時の特則」等、式場とおふたりとの間で取り交わしがない場合)、結婚式は「不可抗力での開催不可」ということになります。
こうなった場合は、民法上の「危険負担」に該当すると言われています。
※民法第536条第1項
当事者双方の責めに帰することのできない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
ウエディング用に言い換えると「会場も新郎新婦もともに責任がない理由(まさに特措法にもとづく要請)によって結婚式のサービスを提供できなくなったときは、新郎新婦は、結婚式代金の支払いを拒むことができる。」
=代金は支払わなくて良い
ということです。
ただし、あくまでこの「非常時」について、式場とおふたりの間で取り交わしがない場合です。
少しだけ式場側に立って考えてみると、他サービス(コンサートや舞台など)とは違い、結婚式に伴うサービス提供は、結婚式当日前に始まっており(打合せや試食会ですね)、それに対する費用も全て支払われないのは困る、という理屈ももっともかとは思います。
そういった事情もあり、緊急時の取り交わしがきちんとされている場合は、間違いなくそれに則った形になりますし、取り交わしがない場合でも、式場によっては費用を請求されることもあるかもしれません。上記件を踏まえた上で冷静に話し合いをしましょう。
また悩ましいのは、「緊急事態宣言」のエリアとして該当していない、また、対象期間である5/6までではない、5月・6月の結婚式開催の場合です。この場合は、式場ごとに対応が全く違ってくるかと思いますので、早急に式場側に確認しましょう。
まとめ
該当期間・該当エリアでの結婚式場を予約されているおふたりは、早急に式場と連絡を取り合うこと、そしてゲストへの連絡をしなければなりません。
延期に伴う連絡方法・お詫び文については、▼コチラの記事▼で扱っています。(リンクをタップ☝)
【お詫び状 文例】コロナウイルスによる結婚式延期・決行について
必要な際はご参考になさっていただければと思います。
結びに、、、
この流れは、ここ1カ月、2カ月でおさまるものではないと考えられます。
2020年春婚から2020年夏婚などに既に日程変更され、心を痛められたおふたりも多いと思いますが、さらに、追い打ちをかけられる可能性もあります。
先が見えない今、式場にも柔軟な対応を求めるしかありませんが、どの時点でどんな状態だった場合、どんな対応になるのか、ということを今から確認しておくことを、おふたりのためにオススメしたいです。
ただ、ただ、、、気休めに聞こえるかもしれませんが、結婚式は今できなくても、おふたりがゲストに対して抱く「感謝の気持ち」や、ゲストがおふたりに対して抱く「祝福」が色あせることはありません。
いつか、何の心配なく、結婚式が行える日が来ることを心から祈って、、、。