先日、4月16日に全都道府県に発出されていた「緊急事態宣言」(7都府県には4月7日に発出)が、約1カ月ぶりに一部の地域で解除されましたね。
それに先立ち5月4日には、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」が公表され、私たちは今後、新型コロナウイルスと(ある意味)“共存”していくために、これまでとは違った生活が余儀なくされます。
では、「結婚式」に関しては今後どうすれば良いのか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今日は、国が示す方向性、そして業界が示すガイドライン、そこから検討すべきことをまとめてみたいと思います。
今年、結婚式を予定している方や、結婚式をしようかどうか迷っている人の判断材料となれば幸いです。
目次
「新しい生活様式」と結婚式場業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
「新しい生活様式」
5月4日、厚生労働省より新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」が公開されました。
実践例として①一人ひとりの基本的感染対策 ②日常生活を営む上での基本的生活様式 ③日常生活の各場面別の生活様式 ④働き方の新しいスタイル などが公開されています。
▼厚生労働省:新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」▼
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
ここでウエディングに関する部分で言うと、
〈食事〉
・対面ではなく横並びで座ろう
・料理に集中、おしゃべりは控えめに
〈冠婚葬祭などの親族行事〉
・大人数での会食は避けて
とあります。
この提言の中で、業界ごとの対策ガイドライン策定が要請され、ウエディング業界においても、BIA(公益社団法人日本ブライダル文化振興協会)が、5月14日、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会との連名という形でガイドラインを発表しました。
結婚式場業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
▼全文はコチラ▼
https://www.bia.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/cc4c79bc020173a208159705c9503e08.pdf
注目すべきポイントを紹介すると、
・参列者同士の距離は「1m以上」開ける
・集合写真は直前までマスク着用し会話は控える
・スナップ写真も密集しないポーズで撮影を
などが挙げられます。
〈結婚式をする・しない〉において考える3つのポイント
まず現状のおさらいですが、緊急事態宣言下においても、結婚式場に関しては、大半の都道府県が「社会生活を維持するうえで必要な施設」として、自粛要請の対象外となっていましたが、感染拡大を防止する観点から大半の施設が自主的に営業を自粛している、というのが今の状態です。
今後、緊急事態宣言が取り下げられ、営業を自粛していた式場も徐々に再開していくでしょう。その時には、先ほどの「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」に則って、おふたりに対応をしていくことになると思います。
その際に、今後結婚式の予約をしているおふたり、または結婚式を検討しているおふたりは、以下のポイントで確認・検討をしてみると良いと思います。
式場の対応
自分が予約している(予約しようとしている)式場は、「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」に則った対応をしてくれるか、また準備をしているか、確認しましょう。
キャンセルと日程変更の期限
キャンセルや日程変更については、いつまでなら、どういった対応になるのか、必ず確認しましょう。
またその際に、「見積もりの〇%」といった表記や「料理の〇%」などといった表記が出てきた場合は、いつ時点の見積もりなのか、料理が決まっていない場合はいくらで計算されるのか、等も確認しておくことをオススメします。
さらに、参加人数に関してもいつまでなら変更に対応してくれるのか、最低保証人数などがあるのか、もあわせて確認しておきましょう。
親族・友人などの確認
ゲストの気持ちは、地域・時期・状況によってもさまざまだと思いますので、事前に温度感を確認しておくことは必要です。
〈結婚式をする〉場合に注意すべき3つのポイント
レイアウト
一番のポイントはコレだと思います。
「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
“披露宴会場は、出来るだけ広めの会場を手配し、席の間隔は、飛沫感染が防げる十分 な間隔*を開けること”
*「十分な間隔」とは1m以上、可能なら2m以上を目安とし、少なくとも隣の席とは1席程度の間隔をあけることをいう。
一般的に、披露宴でよく使用される、直径1m80cmの丸テーブルは、最大10名掛けですので、1席程度間隔を空けるとなると、5名~6名に抑える必要があります。
例えば、ゲスト70名で検討していたおふたりが、10名掛テーブルが最大8個入る披露宴会場を予約していたとすると、約半分の40名ほどしか招待できない、ということになります。もしくは、10名掛けテーブルが16個入る会場に変更する必要性が出て来るということですね。
後者は、現実的になかなか難しいと思いますので、実際は、ゲストの人数を減らすという対策が必要になるおふたりが多く出てくるでしょう。
写真
「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
“集合写真を撮影する場合は、直前までマスクを着用し、会話を控えてもらうこと”
“スナップ写真を撮影する際には、密集となることのないポーズとすること”
正直ちょっと、想像が難しいですね。。。
私は、ムリして集合写真はとらない、各卓フォトや高砂での写真撮影は避ける、ということが現実的かと思います。
結婚式当日の写真については、あくまでも当日の雰囲気をラフに納めるという方向性にしたほうが、ゲストも気を遣わないで過ごせるのではないでしょうか。
演出
「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
“大声を発する余興等については控えてもらうこと”
“マイクについては、使用の都度、消毒または差し替えを行うこと”
友人による歌や動きのあるダンスなどは厳しいですね。
ただ、ゲストの人数が限られるおふたりが多くなることを予想すると、複数の方が次から次へとマイクを使って挨拶をしたり、友人が大人数で余興を披露する場面がそもそも少なくなり、会食が中心となるおふたりが多いのではないかと思います。
その時に、従来行われているようなプロフィールDVDなどはオススメですし、あとは、友人たちにリモートでお祝いメッセージをもらったり、場合によってはリモート余興を披露してもらうことは、新しい結婚式の演出として考えられることです。
これまでと違った選択肢を検討する
「結婚式」のスタイルも多様化しているとは言え、やはり「挙式+食事を伴う披露宴」というスタイルで、親族・友人・(会社の方)が参加するものを、思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ただ、そうではない選択肢も実は沢山あります。
例えば従来あるような、
・海外や国内リゾートでのふたりだけの結婚式
・親族を中心とした会食会
・フォトウェディング
これらは比較的、こじんまりした規模での結婚式ですが、もともと人気があります。
またこれまであまりなかった選択肢(あったものもありますが、感染リスクを減らす、という観点ではなかった選択肢ですね)もいくつか考えられます。
・挙式のみ行う(親族も友人も招待)
挙式時のソーシャルディスタンスは必要ですが、短時間で済み、食事を共にしない分リスクも減ります。しかし「結婚式」というけじめの場に立ち会ってもらえるという良さがあります。
・2部制
食事も提供しますが、1部は親族、2部は友人などという形で、時間・場所をそれぞれに用意することで、密集を避けられます。
・アウトドアウエディング
屋外でカジュアルなスタイルにして、密閉を避けられます。食事はブッフェスタイルにはしないで、個包装のものを中心に振舞う形でリスクを軽減します。
・ドライブインシアターウエディング
以前、日本でも流行った、車の中から映画を見るスタイルのウエディングバージョンも!?
・オンライン結婚式
Zoom等を使い、リモートで結婚式を行うスタイルです。既に実施例をいろいろなメディアで見かけます。
その時には、シェフがふるまう料理などをゲストの自宅にデリバリーなどをしてもらい、一体感を味わうのみ良いですね。
まとめ
ここまで色々なお話をしてきましたが、こういった検討事項や新しいスタイルに違和感がぬぐえず、今まで通りお結婚式がしたい!という方は、とりあえず来年以降に延期するのも1つの選択肢です。たとえ、入籍から時間が経ってしまってからの結婚式になっても、ゲストがおふたりをお祝いしたい気持ちは色あせないと思います。
また、結婚式に関しての意見や価値観が、新郎と新婦の間で、もしくは両家のご家族の間で違っている場合もあると思います。
でもそれは当然のことです。
ただでさえ、これまでのおふたりそれぞれの歩んできた道と、これからおふたりで進む道の中間地点である結婚式には、さまざまな方の事情・想いが関わりますし、さらに今は誰もが正解が分からない未曾有の時です。
そんな時でも、意見や価値観の違いを悲観するわけでなく、きちんと声に出してお互いのことを伝え合い、それぞれの意見・価値観を一緒に束ねていくことが、ふたりのより良い未来につながっていくと思います。
おふたりが、納得した形の結婚式を迎えられることを心から願ってます。